HOME > 医療情報 > 松波総合病院のチーム医療 > 院内感染対策チーム(ICT)・抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中、私たちは新たな感染症の脅威に直面しています。病院には多様な疾患を持つ患者さんが集まるため、多くの菌が存在し、特に免疫力が低下している患者さんは感染しやすいというリスクがあります。
当院では、入院中の患者さんが安心して治療に専念できるよう、「院内感染対策チーム(ICT)」が中心となり、院内感染対策に積極的に取り組んでいます。 さらに、感染症治療のために入院された患者さんには、より安全で質の高い医療を提供できるよう、「抗菌薬適正使用支援チーム(AST)」としても活動し、抗菌薬の適切な使用を推進しています。
●週に1度、病院全体を巡視し、感染対策の実施状況を直接確認し、指導や助言を行い、改善を促します。
●院内感染の疑いや発生時には迅速に状況を把握し、感染拡大防止のための緊急対応にあたります。
●病院の全職種に対し、感染予防の重要性を啓発し、実践を促します。具体的には、効果的な手洗い、消毒方法の実践、適切な清掃手順の徹底、使用済み医療器具の安全な取り扱い、職員の健康管理と体調不良時の対応などです。
●月1回の全体会議を開催し、感染対策の進捗状況を共有し検討します。
●最新の知見に基づいた講習会を開催し知識の向上を図ります。
近年、薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance) が世界的な課題となっています。薬剤耐性とは、抗菌薬の使用を繰り返すことで細菌が変化し、これまでの抗菌薬が効きにくくなる現象です。薬剤耐性菌による感染症は、治療に有効な抗菌薬の選択肢が限られ、治療が困難になるケースがあります。
AST (Antimicrobial Stewardship Team) は、薬剤耐性対策の一環として、主に以下の活動を行っています。
●抗菌薬治療の適正化支援:
広範囲抗菌薬を使用している患者さん、長期にわたり抗菌薬を使用している患者さん、血液培養で菌が検出された患者さんに対し、適宜抗菌薬治療の適切性を評価し、必要に応じて助言を行います。
●感染症治療検討会議の開催:
毎週1回、特に治療が難しい感染症について症例検討会議を実施し、治療方針を検討します。
●薬剤耐性関連データの集計と評価:
血液培養の複数セット提出率、耐性菌の発生率、抗菌薬の使用量などを継続的に集計、評価し、定期的に報告します。
●アンチバイオグラムの作成:
院内における分離菌の抗菌薬感受性データ(アンチバイオグラム)を定期的に作成し、適切な抗菌薬選択に役立てます。
●薬物血中濃度モニタリング支援:
薬物血中濃度モニタリング(TDM)が必要な薬剤について、適切な使用を支援します。
これらの活動を通じて、ASTは患者さんへのより良い感染症治療の提供と、薬剤耐性菌の発生抑制に貢献しています。
ウイルスや細菌などの病原体が体内で増殖すると、発熱、下痢、咳といった感染症の症状を引き起こします。特に抵抗力が低下している患者さんは、これらの病原体の影響を受けやすくなります。
当院の感染制御チームは、患者さんの療養環境や診療体制を常に確認し、感染症の発生予防に努めています。また、地域の関係機関とも連携し、感染症による被害を最小限に抑えるための活動を行っています。皆様にお願いしている手指消毒や咳エチケットも、これらの感染対策の一環です。
ご理解とご協力をお願いいたします。
CNICの最も重要な役割は、患者さん、来院者、そして病院職員の皆さんを感染症から守ることです。私たちは、院内での感染症発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合でもその拡大を最大限に抑えるため、効果的な予防策と管理体制を病院全体で推進しています。
これらの活動を通じて、患者さんが安心して治療を受けられる安全な医療環境を提供し、来院されるすべての方々の健康を守れるよう尽力しています。CNICは今後も、感染管理の専門性をさらに深め、安全で質の高い医療を提供できるよう、日々努力を続けてまいります。
感染対策と抗菌薬適正使用における薬剤師の役割
・感染対策チームおよび抗菌薬適正使用支援チームの一員である薬剤師として、抗菌薬が安全かつ適切に使用されているかを日々確認しています。
・感染症の薬物治療効果を最大限に高める上で、薬剤師が果たすべき役割は非常に重要だと考えています。多職種からなるチームの中で、薬のスペシャリストとしてチーム医療に貢献していきます。
病院の感染管理が円滑に進むよう、多岐にわたる業務でチームを支えています。私たちの主な役割は、感染対策に関するデータの収集・分析、関連資料の作成、会議の運営サポート、そして外部機関との連携窓口などです。
当院では、患者さんや来院されるすべての方々を感染症から守るため、感染対策に日々取り組んでいます。医療従事者だけでなく、皆様お一人おひとりのご協力が、感染拡大防止には不可欠です。
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