医療情報

松波総合病院 外科部長:花立 史香

乳腺炎

  • 授乳中にかかることが多い病気です。
  • ミルクがたまり過ぎたり、細菌が乳首の小さな傷から乳房の中に入ったりして起こります。乳房が赤く腫れて熱くなったり、痛みが出てきたりします。時には発熱したりすることもあります。
  • 抗生物質などで感染や炎症を抑える必要があります。膿がたまっている場合には切開して膿を出さなければいけないこともあります。
  • 授乳期以外で乳房の腫れや赤味があり、あまり痛くないときはがん(炎症性乳がん)の可能性もありますので注意が必要です。乳輪下膿瘍は乳輪の下に膿がたまり、赤く腫れて痛みが出ます。治り難いことがあり、慢性化することがあります。

乳腺症

  • 乳腺の病気の中で最も多い良性の病気です。しかし病気といっても、これはホルモンの影響による女性特有の乳腺の変化であり、生理的なものです。
  • 30~40代の女性によく起こる症状です。特に月経前の時期に乳腺が硬く腫れ痛みを感じることもあります。この症状は月経が訪れると少しやわらぐのが特徴です。乳腺症は、病的な状態ではありませんので、治療は必要ありません。またホルモンの働きで乳腺が腫れることにより、乳腺の構造の特徴であるぶどうの房のような乳腺のつぶが目立つようになり、しこり状に触れることもあります。
  • 触れただけでは、がんのしこりと非常に区別がつきにくいので注意が必要です。今までなかったしこりを感じたときは、念のため、触診だけでなく詳しい画像診断を受けることをお勧めいたします。

のう胞

乳腺症があるとき、乳腺の中に液体のたまった袋ができることがあり、しこりとして触れることがあります。これがのう胞です。乳腺症の1つの形であり、そのため、特に月経の前にできることがありますが月経がくると少し小さくなることもあります。 しこりに気づいた場合は、このしこりがのう胞であるのか、がんのような腫瘍であるのかはっきりさせておかねばなりません。のう胞は超音波検査を行なえばすぐ診断することができ、治療は特に必要ありません。のう胞であることが確認されれば安心です。大きなのう胞で痛みがあったり、しこりが触れたりするために気になるような場合は、中の液体を吸い取って小さくすることもありますが、月経前になるとまた液体がたまってくることもあります。

乳腺線維腺腫

10代後半~30代の比較的若い年代にできる良性の腫瘍です。触ると、硬くてクリクリとよく動くのが特徴です。 しこりが小さいときは切除の必要はありませんが、しこりが急に大きくなったり、痛みなどの症状が強い場合はしこりの部分だけを切除する手術が必要な場合があります。しこりは自然に消えることはありませんが、ほとんどの場合閉経を迎え年齢を重ねるにつれ徐々に小さくなり、分かりにくくなります。

葉状腫瘍

線維腺腫とよく似ていますが、しこりが急に大きくなることが特徴です。基本的には良性の腫瘍なのですが、悪性化することもあり、葉状腫瘍と診断された場合は手術で切除する必要があります。

乳管内乳頭腫

乳管とはミルクが通る管のことで、ミルクを造るところと乳頭の出口をつないでおり、乳腺には15~20本ほどあります。この管の中にできたポリープのようなものは、乳管内乳頭腫といわれる良性の腫瘍です。乳首から血液の混ざった分泌物が出たり、乳房のしこりとして気づくこともあります。がんとの区別が難しい場合もあり、症状に気づいたときは、詳しい検査が必要です。

乳がん

乳腺にできる悪性の腫瘍です。

症状

しこり、血性乳頭分泌、乳首の陥没、皮膚のくぼみ、痛み、脇の下のしこりなどです。早期の乳がんは、ごくわずかな乳腺の硬さや違和感で気づかれる場合、あるいは全く症状が無く、マンモグラフィや超音波などの画像検査でしか分からない場合も多くあります。このため、毎月の自己検診、定期的な画像診断が早期発見に大変重要となります。

治療

第一に手術が行なわれます。そして、必要に応じて抗がん剤の治療などの化学療法や、女性ホルモンの分泌を抑えるホルモン療法、放射線療法、免疫療法などが行なわれます。しこりの状態によっては手術の方式やその他の治療との順番が入れ替わることもありますが、乳がんの場合は手術が治療の基本となります。その理由は、体の中にできた悪い細胞を確実にすべて取り除く最も効果的な方法が手術であるからです。悪いところを手術できれいに取り除いた上で、効果のある様々な治療をその人の状態によって組み合わせる、これが最も効果がある治療法です。
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