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圧迫骨折に対するBKPBalloon Kyphoplasty、セメント固定)

骨粗鬆(こつそしょう)性椎体(ついたい)骨折
骨粗鬆症による椎体圧迫骨折は多くの場合は安静、コルセットでの外固定などで骨がだんだん固まり安定し痛みが改善します。しかし時間が経っても骨癒合(骨がつく)せずぐらつきによる痛みが残る場合があります(偽関節(ぎかんせつ)といいます)。つぶれた骨が徐々に壊れて神経を圧迫することで麻痺が出てくることもあります(遅発性(ちはつせい)麻痺(まひ)といいます)。その場合、より侵襲の大きな手術が必要となってしまいます。BKPは骨折部をバルーンでひろげて骨セメントを入れる手術です。脊椎固定術に比べて体の負担が少ない手術です。


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術後レントゲン この手術の場合、骨折椎体は骨セメントで固まるため術後早期より痛みが改善します。注意しなければいけないことは、骨折部は安定しても骨粗鬆症が治っているわけではないということです。痛みが良くなったからといって無理をすると隣の背骨がまた骨折してしまうこともありますので骨粗鬆症の治療を継続することが大切です。 ただしすべての椎体骨折がBKPで治療できるわけではありません。骨破壊、背骨の変形がひどくなると以下のような固定術、矯正骨切り術が必要となる場合もあります。


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このような体の負担が大きい手術は高齢で合併症がいろいろある患者さんには施行できない場合があります。全身状態が悪く大きな手術が出来ない患者さんであっても侵襲の少ない経皮的椎体形成術であれば手術可能な場合もあります。圧迫骨折の診断で治療を受けていて、数週間経過してもなかなか痛みが良くならない場合はご相談ください。  

骨粗鬆性脊椎圧迫骨折

骨粗鬆症による圧迫骨折は多くの場合2~3ヶ月ほどで骨が固まり安定し痛みが改善します。しかし時間が経っても骨癒合(骨がつく)せずぐらつきによる痛みが残る場合があります(偽関節ぎかんせつ)。つぶれた骨が徐々に神経を圧迫することで麻痺が出てくることもあります(遅発性麻痺ちはつせいまひ)。まずはコルセット、内服薬などでの治療を行いますが、 偽関節ぎかんせつ遅発性麻痺ちはつせいまひ の場合は手術が必要となることもあります。手術の方法は局所にセメントをいれるような侵襲の少ない手術から広範囲の固定術(図6)までさまざまな方法がありますので、骨折の状態、神経の状態、全身状態を考慮して手術方法を提案させていただきます。


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