かわばたレター

2018年4月のレター

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かわばたレター4月号

 3月の初旬でした。寒さが緩んできた頃、庭に春を見つけたんです。小さな薄緑が目に入ってきたのでしっかりと見てみると、そこには「ふきのとう」がいくつも顔を出してました。残念ながら気づくのがちょっと遅かったようで、かなり開いてたんです。よくいう薹がたってしまってたんです。これでは苦みが強くてあまりおいしいとはいえないですよね。今年は食べるのはあきらめました。でも来年の楽しみができました。猛烈に寒かったのに、春の訪れが今年はほんとに急でしたね。あっという間に桜の開花です。

 春は大きな変化のとき。卒業や入学のシーズンですね。今年も小学校の卒業文集が届きました。長崎県大村市の放虎原小学校の6年生からのお便りなんです。卒業を前に、私をとりあげたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」を保護者の皆さんも一緒にDVDで鑑賞して、その感想文を送って下さったんです。皆さんとても感動的な感想文を書いて下さってます。当然お返事を書いたんですが、これを卒業文集に載せて下さいました。しかも、このやりとりは今年で3年続いてるんです。ありがたいお話です。4月からは中学生。これから大人になってく過程で、このドキュメンタリーが何かの役に立つことがあれば、本当に光栄です。次の日本を背負っていく人たちなんですからね。

 18トリソミー、これは18番目の染色体が1本多い病気です。この状態で産まれると、心臓などに大きな問題を抱えることが多いため、長く生きることはできないとされてます。そのため、かつては治療の対象とはならないとされてたんです。でも最近は新生児医療の介入も進んできて、年単位で生きることだって珍しくはなくなってます。この子どもたちの写真集、「18トリソミーの子どもたち −出会えた奇跡をありがとうー」の出版記念パーテイーに参加しました。会場には大勢の18トリソミーの子どもたちやそのご家族が集まってました。みんなおめかしして可愛い姿を見せてくれてました。300家族の写真が詰まった写真集はとっても素敵です。どの子を見ても、どの写真を見てもみんなかわいい。長良医療センターで産まれた子の写真も載ってます。水曜社から定価1800円で発売中です。是非たくさんの皆さんに見てもらいたいですね。

 18トリソミーの赤ちゃんは私にとって大切な存在なんです。NICUがない病院で胎児診断をしていた頃、治療の対象にならない赤ちゃんが産まれても小児科では診てもらえません。亡くなるまで私が診てました。フジテレビ最強ドクターシリーズにも、NHKプロフェッショナルでも18トリソミーの赤ちゃんと私の関わりがとりあげられてました。多くの赤ちゃんが人工呼吸器を必要としてますから、ご家族は大変なんです。でもこの子がいるから私たちは不幸になった、というご家族に会ったことがありません。1日でも長く生きてほしい。ほんとうにかわいい。やっぱり意味のない命はないんです。

 さてFC岐阜。今季初勝利のあとのホームでの試合は、雨の中で寒さに震える中で行われました。ピッチは水がたまって、ボールが止まってしまうような最悪のコンデイション。先行されても追いついてのドロー。けが人が出なくてよかったです。しかししかし、その後のアウエーでは見事な勝利。内容も今シーズンで一番良かったですよ。これで開幕からの成績はほぼ五分になってきてます。なんとか中位に食らいついていってもらいたいです。ここに来てメンバーもなんとなく定まってきましたね。長いシーズンを乗り切るためには、調子のいい選手に頑張ってもらわないといけません。もっともっと層の厚いチームになって、さらに上を目指していってほしいです。

                                                                                                ではまた

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